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April 09, 2011

幻の蕎麦 「時香忘」 -ZCOBO-

木曽の山中にひっそりと佇む蕎麦屋、時香忘。
駐車場の奥まった位置から店の玄関まで続く回廊のようなデッキを歩いているうちに、非日常の世界に溶け込んでいくような気分になる。入り口には店名のプレートだけが掲げられ、小さな美術館といった雰囲気で、まさかその中で極上の蕎麦が食べられるとは思いもしないようなしつらえだ。

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店内のインテリアは落ち着いた杢で統一され、余裕のあるテーブル配置や、店から続くウッドデッキの開放感でゆっくりと寛げる空気を醸し出している。

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カウンターの席に通されると、これも木製のランチョンマットの上に、オーナー手製の魚をモチーフにした箸置きとZCOBOの焼き印のはいった割り箸が、こだわりを物語る。
しかし、本当のこだわりは饗される蕎麦にふんだんに盛り込まれているのだ。
「採算や打算を捨て、手間暇を惜しまず・・・」と語るように、通常の10倍以上の時間をかけて捏ね上げられた蕎麦は、粗挽きの蕎麦でありながら、しっとりとした質感を持ち、小麦粉を使わないにもかかわらず、腰の強さを持つ。
恐らくその秘密は、限りなく0%に近いツナギの存在にあるらしい。店のリーフレットには、0.12%の葉脈と0.2%の木の繊維と書かれているように、雄山火口(おやまぼくち)という山菜や山葡萄の木の繊維を和紙を漉く要領で蕎麦粉と混ぜ合わせているのがそれだ。
しかし、そのようなわずかなツナギの種類選定や配合の決定の裏に、気の遠くなるような試行錯誤があったことは想像に難くない。その結果、客が今まで食べたことのないような蕎麦を食し、そして再び食べたいと願う蕎麦が出来上がったのだろう。
このような試行錯誤の結果に何種類もの蕎麦ができあがったものの、稀有な素材や惜しまぬ手間暇などの事情により毎日どのような蕎麦が食べられるとは限らず、今日は粗挽きのおやまぼくち蕎麦に辛み大根をのせたおろし蕎麦をセレクトして食べた。

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蕎麦の食感は前述のようにしっかりした歯ごたえでありながらしっとりとしており、ツナギが極度に少ないにもかかわらず、短くちぎれてしまうこともなく、そのせいか喉ごしもなめらか。トッピングされた辛み大根も涙が出るほど辛く、辛み大根好きには堪らない。そば湯も濃厚で、香り高くおなかが満ちるまで呑んでしまうほど。店の人の対応も細やかで、その丁寧な対応の中にも店への愛着と蕎麦への自信をうかがうことが出来た。

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Comments

美味しい蕎麦いいですねー。
知ってるかもしれませんが福井も蕎麦処として有名で
コチラには つなぎ粉を全く使わない10割蕎のお店が
沢山あります。
勿論、辛み大根も飛びっきり辛いお店もあるので
コチラに来た際には越前蕎麦、是非ご堪能ください。
なんなら究極、伝説のお店紹介しますよ~。
.....といっても食べる事自体 難しいんですが・・・・。

Posted by: amago_fish | April 11, 2011 at 09:28 AM

amago_fishさん、どもです。
私が最初に辛み大根に遭遇したのが越前ですよ。
なかなかピリッとした辛みのある大根を出してくれる所はなかなかないですからね。
それ以来何度も出かけてますよ。
この季節だと足羽の桜に越前蕎麦ですかねぇ。
あわらは遠いけど(笑)。

Posted by: standy | April 11, 2011 at 02:37 PM

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